作業工程(ミキシング前/ミキシング後)


ご無沙汰しております。


4月の末からGWまで、本業の合間合間にひたすら新しく導入したPCの入れ替え(お引越し)作業をしていました。

それに伴い受け付けを停止しておりますが、相変わらず本業の多忙につき引き続き受け付けを中断いたします。ご迷惑をおかけいたしますがご了承ください。


ただし、オーダーの送信やお問い合わせにつきましては随時受け付けております。どうしても急ぎで、というものがあればお申し付け頂ければ調整致しますのでよろしくお願い致します。

2018/5/6現在


さて、本題です。


WORKSのページにこれまで手がけた歌ってみたミックスの一部を公開しておりますが、今回ミキシングの前と後でどう変わるのか、どういった作業をしているのか、ということをご説明致します。


まずは録音されたままの状態をお聴きください。

※本来女性ボーカル用に作られた音源をこのブログ用のため無理に男性キーに調整しているため、オケの音質が悪くなっています。あくまでボーカルのミキシング処理の比較としてお聴きください。


ピッチ・タイミング補正やEQ・コンプなどの処理を終えたボーカルです(ドラムだけ入れてます)


オケと合わせたものがこちらです。



タスクリスト作成

Sound&Photoクリエイティブでの作業はまず素の状態の音を何度も何度も聴くことから始まります。

ピッチやリズムにつまずきはないか。声の質はどうか。音量(ダイナミクス)のバラつき。ノイズ。

などなど問題点を洗い出していきます。


この音源では主旋律、ハモリともにピッチがズレているところがありますね。リズムは概ね良さそうですが一箇所大きく遅れているところがあります。(「夢見るように」の「よ」の入りが遅い)


声も若干こもっているのでオケとの兼ね合いも見て問題のある周波数を見つけ出します。


こうやってタスクリストを作っていき、それから実際の作業を開始します。



タイミング補正

ピッチやタイミングの修正はMelodyneが主流ですが、私は昔からVocalShifterを愛用しています。GUIが優れていて操作性もよいのです。何より慣れてしまったのでこれが一番効率がよいのです。

使い方については他に書かれているサイトがあるので割愛します。


画像の大きく折れ曲がっている赤線が先程書いたタイミングがズレているところを修正したものです。他にもズレているところやいまいちグルーブが出ないところを直していきます。



ピッチ補正

ピッチは大きくズレているところを無理やり補正すると粗が出ます。そういった場合は歌い直したほうが早いうえにクオリティもあがります。

今回はそこまでひどいズレはありませんでしたので簡単な補正のみです。


ちなみに何でもかんでもすべて正しいピッチにすればよいかといえばそうではありません。

しゃくりあげや揺れなどそのボーカリスト特有の歌い方に起因するズレもあり、すなわちそれは味に繋がるわけです。

そういった良いズレと悪いズレを見分けるのもエンジニアの腕の見せどころとなります。



ダイナミクス補正

比較的音程の低いAメロと高いサビでは一般的に音量(声量)に大きな差が出ます。またふいにポンと飛び抜けたりするところもあり、そういったところの差を少し埋めます。

グルーブやノリがいまいちなところはペンツールで1文字ずつレベルを描いてしまいます。

この音源では「真っ白な羽に」以降、細かく描いてリズムを出しています。


ミキシングの段階で最終的なレベル書きを行いますのでここでは比較的ざっくりの作業です。



ミキシング

ここからがいよいよミキシング作業になります。

今回はすべてWavesのプラグインで仕上げてみました。

ここで声の土台を作ります。NEVEのプリアンプとEQですがブースト方向に使うと良い感じに倍音が加わるのでその周波数を突いてあげます。

画像ではハイパスフィルターが160Hzになっていますが実際には80Hz以下をばっさり切っています。


スクショを撮るのを忘れてしまいましたが、このあとCLA-2Aで3dB弱のリダクションをかけて慣らしました。


次にEQで、今度はオケと合わせたときに邪魔になるところやこもって聞こえていたところを削っていきます。ここで声の質をすっきりと抜けがよくなるよう作ります。


最近特に流行っているように感じますが、テープサチュレータです。歪ませて温かみを持たせたりするときにも使いますが、今回は歪まない程度にかけて角を取る目的で使っています。


最後にまたコンプです。

ここでのコンプはパラコンプとして使用します。コンプで潰した音と元の音、つまりガッチリ固まった芯のある音と豊富なダイナミクスのある音をバランスよく混ぜるわけです。


今回はレシオ8:1で常に6dBほどリダクションをかけた状態で、原音を70%で混ぜました。

画像ではアタックが7を指していますが実際にはもっと早い設定にしています。



ハモリの処理についても書いておきましょう。

メインボーカルと大まかには似たような処理ですが、ハモリパートにはDoublerでコーラスエフェクトをかけています。

原音にコーラスをかけてしまっても良いのですが、今回は原音にコーラスをかけた音を混ぜました。

そのほうが馴染みがよかったからです。ちょうどセンド&リターンと同じですね。


空間系はディレイを左右に振り、リバーブはプレートとホールタイプを使いました。

原音とディレイ音それぞれどちらもリバーブがかかる設定です。

どこにどれだけの量を送るか、耳でバランスの良いところを探しながら調整します。


最後にミックスバスにAPI2500を挿して音をまとめています。いつもはプリセットを呼び出してから設定を変えていきますが、今回はプリセットのままで使える音でした。


このあとマスタリングを行うのですが、これはアウトボードのアナログ機材で行います。

具体的な設定値は書けませんがパッシブEQとコンプレッサーで仕上げます。


そうしてできたのが冒頭に貼った音となります。

いかがでしたでしょうか。歌ってみたセットはここまでの工程で3,000円で価格設定しています。

お試し的な気持ちでのオーダーもしやすい価格帯かと思いますので、お気に召されましたら是非オーダーくださいませ。


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HOW TO ORDER

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Sound & Photo クリエイティブ

SOUND & PHOTO CREATIVEはミキシング・マスタリングのサウンドサービス、写真撮影・編集のフォトサービスをご提供致します。 歌ってみたや弾いてみたを激安価格でミックス致します。 バンドでCDを作成したい、といったお客様にはミキシング・マスタリングからジャケット・アー写撮影までを一括して承ることも可能です。 どちらも低価格・高品質にてサービスをご提供致します。

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